立春とはいえ寒さがピークを迎える2月、ポカポカ温まる鍋料理が一層美味しく感じる季節です。
関西で鍋料理の代表といえば“てっちり”。高級魚と言われるフグを使った冬のご馳走“てっちり”は、食い倒れの街大阪で最も愛されている鍋料理の一つです。
ところで、なぜ関西では、ふぐ鍋のことをてっちりと呼ぶのでしょう?それは、フグ食禁止令が出ていた江戸時代に隠語として生まれたようです。その語源は、フグの毒に「あたると死んでしまう」から「鉄砲」に例えられたことです。昆布だしや熱湯で煮ながらポン酢や醤油に薬味を加えて食べる鍋のことを「ちり」といい、「鉄砲のチリ」から、「てっちり」になったそうです。関西らしいブラックユーモアですね。
実際フグの毒はとても危険ですが、中毒を起こすのは殆ど家庭等で素人調理したものです。「フグ取扱登録者」のいる「フグ販売営業許可」を持つお店のものを頂きましょう。
下関や西日本では、「ふぐ」と濁らずに「ふく」と呼びます。その語呂合わせにより2月9日はふぐの日とされています。「福」と同じ発音であることから縁起の良い魚とされています。
フグの旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」と言われていますが、2月頃は成長したフグが産卵のため日本沿岸に近づいて来るため、身はもちろん白子も充実しており、美味しい時期とされています。特にとらふぐはフグの中でも一番の高級魚で、独特の旨味と触感はカニと並ぶ「冬の味覚王」と呼ばれています。また、ポン酢などに必要な柑橘類も旬を迎え、ふぐ鍋が一層美味しくなります。
フグの皮には良質のコラーゲンがたっぷり含まれています。コラーゲンは体内でアミノ酸となり、お肌の深くまで潤いを与えてくれます。シミやしわを防ぎ、ハリを保つ美肌効果が期待できます。また、高たんぱく低カロリーで脂肪分は殆どありませんのでとても健康に良い食材です。女性には嬉しい栄養ですね。
身には、旨み成分(グルタミン酸やイノシン酸など)が多数含まれているので他の白身魚に比べたらコクが違ってきます。鍋で頂くときには、だしを入れなくてもフグの旨みが充分広がります。
日本のふぐ料理の歴史は縄文時代にまで遡ります。まさに太古からの自然の恵みです。現代の私たちの食文化に受け継がれていることに感謝です。
2月はフグを食べるにはピッタリの季節。健やかに春を迎えるためにも、冬に不足しがちな野菜をたっぷり入れて“福”を頂きましょう。
“いただきます”の心が過去から現在、そして未来へと繋がります。
<わたしたちは伊勢神宮・出雲大社 奇跡の両遷宮「神の宮」 増浦行仁写真展に協賛しています>
1963年生まれ。1981年渡仏。1983年 VOGUE(Paris)ギィ・ブルダンのアシスタントとなる。1987年サロン・ドートンヌ入賞。ルーブル、オルセー、パリ近代美術館、ロダン美術館にてポスト印象派の彫刻を撮影。1988年フランス国立図書館に作品31点が永久保存される。2002年、フィレンツェのカーサ・ブオナローティ(ミケランジェロ美術館)を皮切りに、2003~4年日本国内各地にて『GENESIS』(ミケランジェロ作品集)展開催。2006年より神宮司庁の許可を得、伊勢神宮「第62回式年遷宮」ならびに2008年より出雲大社「平成の大遷宮」の撮影をそれぞれ開始する。2013年5月に出雲大社、10月に伊勢神宮の正遷宮(神体の渡御)が行われるまで撮影に従事。これらの撮影作品は『神の宮』として国内外で巡回展を開始。同時に日本の精神文化、その自然観と伝承知による地球40億年の生命の継承を伝える「神の宮共働態」を結成。 写真集『GENESIS』『天狗の棲む山』、関連書『おれは土門拳になる~“奇跡の光” にたどり着いた写真家・増浦行仁の生き方~(村尾国士/著)』
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