明けましておめでとうございます。みなさんは、お屠蘇を召し上がりましたか?
このお屠蘇、名前は聞いた事があるが実際はどういうものか知らないという方も、実は多いのかもしれません。かく言う私も、お正月に飲む清酒の事をお屠蘇と呼んでいるのだと思い込んでいました。
本当のお屠蘇は、日本酒やみりんで生薬を浸けこんだ一種の薬草酒なのです。邪気を払い無病長寿を祈り、心身ともに改まろう、という願いを込めて飲む、お正月ならではのお酒なのです。
「屠蘇」という言葉には「邪気を屠(ほふ)り、魂を蘇らせる」 という意味があります。なので元旦にお屠蘇を飲むと、その年の邪気を除き、家庭健康で幸福を迎えると言い伝えられてるのです。「屠蘇散(とそさん)」という、十種類近くの生薬を合わせた ものを、日本酒やみりんに浸して、成分を抽出したものが「お屠蘇」 という薬草酒になるのです。
お正月にお屠蘇を飲む習慣は中国で始まったと言われています。これは諸説ありますが、三国時代の魏の名医・華蛇(かだ)が考案したという説が有力です。日本には平安時代に伝わり、嵯峨天皇の頃に宮中の正月行事として始められ、江戸時代には一般に広まったといわれています。
お屠蘇、元旦の朝に家族で新年の挨拶をしたら、家族が1年健康で過ごせるようにと祈りながらいただきます。お屠蘇をいただくときには、一家揃って東の方角を向きます。たいていの宴席では、年長者から盃を下げていきますが、このお屠蘇ばかりは逆。年少者から年長者へと盃を順にすすめます。若者の精気を年長者に渡すという意味合いが含まれているのだとか。
お屠蘇は元旦だけでなく、三が日の来客時に、初献にお屠蘇をすすめて新年のお祝いの挨拶を交すのが礼儀とされています。
こうした長い歴史の上に築き上げられた日本の古き良き伝統が、後世にも引き継がれる事を願っています。
<わたしたちは伊勢神宮・出雲大社 奇跡の両遷宮「神の宮」 増浦行仁写真展に協賛しています>
1963年生まれ。1981年渡仏。1983年 VOGUE(Paris)ギィ・ブルダンのアシスタントとなる。1987年サロン・ドートンヌ入賞。ルーブル、オルセー、パリ近代美術館、ロダン美術館にてポスト印象派の彫刻を撮影。1988年フランス国立図書館に作品31点が永久保存される。2002年、フィレンツェのカーサ・ブオナローティ(ミケランジェロ美術館)を皮切りに、2003~4年日本国内各地にて『GENESIS』(ミケランジェロ作品集)展開催。2006年より神宮司庁の許可を得、伊勢神宮「第62回式年遷宮」ならびに2008年より出雲大社「平成の大遷宮」の撮影をそれぞれ開始する。2013年5月に出雲大社、10月に伊勢神宮の正遷宮(神体の渡御)が行われるまで撮影に従事。これらの撮影作品は『神の宮』として国内外で巡回展を開始。同時に日本の精神文化、その自然観と伝承知による地球40億年の生命の継承を伝える「神の宮共働態」を結成。 写真集『GENESIS』『天狗の棲む山』、関連書『おれは土門拳になる~“奇跡の光” にたどり着いた写真家・増浦行仁の生き方~(村尾国士/著)』
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