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さんつね編纂 日本食紀

冬至にかぼちゃと柚子湯は、なぜ?

冬至は、一年で最も昼の時間が短い日です。太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくることから、易では陰が極まり再び陽にかえる日という意の一陽来復(いちようらいふく)といって、冬至を境に運が向いてくるとしています。つまり、みんなが上昇運に転じる日なのです。

伊勢神宮では、冬至の前後2カ月間は、内宮の宇治橋の鳥居のまん中から朝日が昇ります。それはそれは神々しい光景です。
そこで、毎年冬至の日に「冬至祭」が開催され、宇治橋前で「冬至ぜんざい」が振る舞われています。この「冬至祭」は伊勢市観光協会が行っているものです。

内宮宇治橋
内宮宇治橋

冬至には「ん」のつくものを食べると「運」が呼びこめるといわれています。にんじん、だいこん、うどん、ぎんなん……など「ん」のつくものを運盛りといい、縁起をかついでいたのです。運盛りは縁起かつぎだけでなく、栄養をつけて寒い冬を乗りきるための知恵でもありました。土用の丑の日に「う」のつくものを食べて夏を乗りきるのに似ています。

ではなぜ、かぼちゃなのでしょう。かぼちゃを漢字で書くと南瓜(なんきん)。つまり、運盛りのひとつであり、陰(北)から陽(南)へ向かうことを意味していると考えたのです。かぼちゃはビタミンAやカロチンが豊富なので、風邪や中風予防に効果的です。本来かぼちゃの旬は夏ですが、長期保存が効くことから、冬に栄養をとるための賢人の知恵でもあるのです。

そして柚子湯はといえば、柚子(ゆず)=「融通」がきく、冬至=「湯治」。こうした語呂合せから柚子湯に入ると思われていますが、もとは運を呼びこむ前に厄払いするための禊(みそぎ)だと考える方が正しいでしょう。
昔は毎日入浴しなかったので、一陽来復のために身を清めたのです。現代でも新年や大切な儀式に際して入浴する風習があります。冬が旬の柚子は香りも強く、強い香りのもとには邪気がおこらないという考えもありました。端午の節句の菖蒲湯も同様です。

昔から受け継がれている行事や習慣には、こうした隠された理由があるのですね。 私たちも先人の智慧を大切に受け継いで行きたいと思います。
いよいよ師走に入り、ますますご多忙のことと存じますが、「ん」の付くものを頂いて運気上昇と参りましょう。

宇治橋の欄干
宇治橋の欄干

<わたしたちは伊勢神宮・出雲大社 奇跡の両遷宮「神の宮」 増浦行仁写真展に協賛しています>

写真:増浦行仁
増浦行仁プロフィール
1963年生まれ。1981年渡仏。1983年 VOGUE(Paris)ギィ・ブルダンのアシスタントとなる。1987年サロン・ドートンヌ入賞。ルーブル、オルセー、パリ近代美術館、ロダン美術館にてポスト印象派の彫刻を撮影。1988年フランス国立図書館に作品31点が永久保存される。2002年、フィレンツェのカーサ・ブオナローティ(ミケランジェロ美術館)を皮切りに、2003~4年日本国内各地にて『GENESIS』(ミケランジェロ作品集)展開催。2006年より神宮司庁の許可を得、伊勢神宮「第62回式年遷宮」ならびに2008年より出雲大社「平成の大遷宮」の撮影をそれぞれ開始する。2013年5月に出雲大社、10月に伊勢神宮の正遷宮(神体の渡御)が行われるまで撮影に従事。これらの撮影作品は『神の宮』として国内外で巡回展を開始。同時に日本の精神文化、その自然観と伝承知による地球40億年の生命の継承を伝える「神の宮共働態」を結成。
写真集『GENESIS』『天狗の棲む山』、関連書『おれは土門拳になる~“奇跡の光” にたどり着いた写真家・増浦行仁の生き方~(村尾国士/著)』

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