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さんつね編纂 日本食紀

神在祭(かみありさい)とぜんざい

寒くなってくると、温かくて甘い食べ物が欲しくなりますね。
そんな時にぴったりなのが「おしるこ」や「ぜんざい」でしょう。ところで、「おしるこ」と「ぜんざい」をどう呼び分けているのかご存知ですか?

実はこのふたつ、関西と関東では全く異なるものを指しているのです。
どちらも甘い小豆の汁に餅や白玉が入ったもののことですが、関東ではそれを総称して「おしるこ」と呼び、汁気がないあんを餅や白玉に添えたものを「ぜんざい」と呼んでいます。

これが関西ですと、あんの状態によって呼び名が変わるのです。
甘い小豆の汁が粒あんのものが「ぜんざい」、こしあんのものが「おしるこ」となります。関東のぜんざいにあたる汁気がないものは「亀山」と呼ばれています。これは、関西の人も知らない人がいるかも。

同じ単語を使いながら、指すものがこれだけ違うと、関東の人と関西の人で「おしるこ」や「ぜんざい」の話をすると、こんがらがってしまいそうですね。

八百万の神々がお着きになる稲佐の浜
八百万の神々がお着きになる稲佐の浜

この「ぜんざい」の語源として考えられているのは、出雲地方の神事「神存祭」(かみありさい)で振る舞われた小豆の雑煮「神在餅」(じんざいもち)。
この「じんざい」が出雲弁(ずーずー弁)で訛って「ずんざい」、さらには「ぜんざい」となって、京都に伝わったと言われています。

また、とんちで有名な室町地代の禅僧・一休さんが小豆入りの汁を食べて、その美味しさに「善哉(よきかな)」と呟いたことが、「善哉(ぜんざい)」の語源になったという説もあります。

いずれにせよ、「おしるこ」や「ぜんざい」が古くから日本で愛されてきたことに間違いはありません。地域によって呼び名は変われど、伝統のある日本の代表的な甘味のひとつ。
いつも当たり前に食している物のルーツを、ひもといてみるのも新しい発見があったりして良いかもしれませんね。
小豆は栄養の宝庫で私たちの体に必要なものがたっぷり入っています。寒い日は暖かいものを頂いて、風邪など召されませんよう養生してください。

八百万の神々の宿舎となる十九社(じゅうくしゃ)
八百万の神々の宿舎となる十九社(じゅうくしゃ)

<わたしたちは伊勢神宮・出雲大社 奇跡の両遷宮「神の宮」 増浦行仁写真展に協賛しています>

写真:増浦行仁
増浦行仁プロフィール
1963年生まれ。1981年渡仏。1983年 VOGUE(Paris)ギィ・ブルダンのアシスタントとなる。1987年サロン・ドートンヌ入賞。ルーブル、オルセー、パリ近代美術館、ロダン美術館にてポスト印象派の彫刻を撮影。1988年フランス国立図書館に作品31点が永久保存される。2002年、フィレンツェのカーサ・ブオナローティ(ミケランジェロ美術館)を皮切りに、2003~4年日本国内各地にて『GENESIS』(ミケランジェロ作品集)展開催。2006年より神宮司庁の許可を得、伊勢神宮「第62回式年遷宮」ならびに2008年より出雲大社「平成の大遷宮」の撮影をそれぞれ開始する。2013年5月に出雲大社、10月に伊勢神宮の正遷宮(神体の渡御)が行われるまで撮影に従事。これらの撮影作品は『神の宮』として国内外で巡回展を開始。同時に日本の精神文化、その自然観と伝承知による地球40億年の生命の継承を伝える「神の宮共働態」を結成。
写真集『GENESIS』『天狗の棲む山』、関連書『おれは土門拳になる~“奇跡の光” にたどり着いた写真家・増浦行仁の生き方~(村尾国士/著)』

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